ごみ、粗大ごみ、燃え殻、汚泥、ふん尿、廃油、廃酸、廃アルカリ、動物の死体その他の汚物又は不要物であって、固形状または液状のものをいいます。放射性物質及びこれによって汚染された物は廃棄物処理法の対象から除外されています。
用語集
産業廃棄物
廃棄物処理業の許可申請者の一般的適性について、法に従った適正な業の遂行を期待できない者を類型化して排除することを趣旨とするものです。産業廃棄物処理業者がこれに該当するに至った場合には、許可を取り消さなければなりません。
廃自動車、廃家電製品等を破砕し、鉄や一部の非鉄金属部分を選別回収後に残るプラスチック、ガラスやゴムなどの破片からなる混合物をいいます。水銀・鉛・カドミウムなどの重金属を多く含み環境への負荷が高いため、適正処理が必要です。
産業廃棄物の処理を他人に委託する(排出)事業者は、廃棄物処理法に規定されている委託基準に従って処理業者と契約を締結しなければなりません。法律で定められた内容を記載した契約が必要です。
電子マニフェストの利用において、加入者と情報処理センターのサーバ間で電子マニフェスト情報のデータ授受を行う方式です。これにより、システム間で直接データ連携ができるため、電子マニフェスト情報の登録を効率的に行うことができます。
廃棄物の排出抑制、再生利用、適正処理を進めることにより、生活環境の保全と公衆衛生の向上を図ることを目的としています。昭和45年に制定され、これまで何度も改正されており、廃棄物処理に関する最も基本となる重要な法律です。
事業活動に伴って生じた廃棄物のうち法令によって定められた20種類に該当するものを指します。企業や工場などの事業活動から排出されるごみの多くがこれに該当し、排出事業者には自己責任において適正な処理を行うことが法的に義務付けられています。
産業廃棄物のうち、爆発性、毒性、感染性その他の人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがある性状を有するものとして政令で定めるものです。引火性廃油や強酸、アスベスト、医療廃棄物などが該当し、通常より厳格な処理基準が適用されます。
有害物質や有機物等の付着がなく、埋立処分した時に、有害物質の混入、腐敗等による汚水が生じる恐れがない安定型産業廃棄物を埋立処分することが認められている処分場のことです。安定型産業廃棄物としては、廃プラスチック類、ゴムくず、金属くず、ガラスくず・コンクリートくず及び陶磁器くず、がれき類、これらに準じるものとして環境大臣が指定する産業廃棄物が該当します。
既に産業廃棄物収集運搬業等の許可を持っている者が、取り扱う産業廃棄物の種類を追加するときや、事業の範囲を拡大する場合に必要となります。無許可で変更後の業務を行うことは違法となるため、事前の手続きが必須です。
建設工事等から発生する廃棄物で、安定型産業廃棄物(がれき類、廃プラスチック類など)とそれ以外の廃棄物(木くず、紙くず等)が混在しているものを指します。リサイクルを推進するためには、発生元での徹底した分別が求められます。
有価物は廃棄物ではないので、当然ながら、廃棄物処理法が適用されません。「売却代金と運搬費を相殺しても、排出側に収入が有るか否か」が判断の大きな目安となっていますが、不適正処理を隠れ蓑にするケースには注意が必要です。
産業廃棄物収集運搬業者及び産業廃棄物処分業者は、現に委託を受けている産業廃棄物の収集、運搬又は処分を適正に行うことが困難となったときは、遅滞なく、その旨を当該委託した者に書面により通知しなければいけないとされている制度です。
産業廃棄物処理基準等に適合しない廃棄物の取り扱いが行われ、生活環境の保全上支障が生ずるおそれがあると認められるときは、都道府県知事等は、処分者等に対して期限を定めて支障の除去等の措置を講ずべきことを命ずることができます。
いつ、何の廃棄物を、誰が、どのように、運搬又は処分したのか等を記録するものです。排出事業者に廃棄物の責任を最後まで持たせ、不法投棄などの不適正処理を未然防止することを目的としています。紙伝票と電子版があります。
廃棄物の処理過程で発生した事故事例の検証結果等から、必要な廃棄物情報として選定した有害性等の項目を整理した廃棄物データシートの様式例のことです。排出事業者が処理業者へ適切な情報提供を行うために活用されます。
インターネット等を利用して、電子情報化したマニフェスト情報を、排出事業者、収集・運搬業者、処分業者の3者間で、情報処理センターを介してやり取りする電子版のマニフェストの方法です。登録や報告が簡単で、情報の管理が容易になります。
有害物質の判定基準に適合しない有害産業廃棄物を埋立処分することが認められている処分場のことです。処分場の側面と底面をコンクリートで囲い、上部には屋根を設けて雨水が入らないようにし、有害物質を完全に遮断している極めて厳重な構造を持った最終処分場です。
管理型産業廃棄物すなわち有害物質の判定基準以下である産業廃棄物と埋立処分することにより腐敗し、汚水等が発生する産業廃棄物を埋立処分することが認められている処分場のことです。安定型産業廃棄物も処分できます。遮断型最終処分場・安定型最終処分場で処分される産業廃棄物以外の産業廃棄物(一般廃棄物を含む)が埋立対象です。
産業廃棄物以外の廃棄物をいいます。私たちが日常生活で出す家庭ごみ(家庭系一般廃棄物)や、オフィスや飲食店などの事業活動から生じた産業廃棄物以外の紙くずや生ごみなど(事業系一般廃棄物)が該当し、主に各市町村が処理の責任を負います。
SDGs
使用済み自動車から生じる廃棄物の減量化、リサイクルや適正処理を図るため、自動車製造業者等の関係者に適切な役割分担を義務付けた法律です。フロン類、エアバッグ、シュレッダーダストの適正処理を定めています。
食品の売れ残りや食べ残し、製造・加工過程で生じたくずなどの食品廃棄物の発生抑制と再生利用のために、食品関連事業者などが取組むべき事項を定めた法律です。飼料化や肥料化などのリサイクルを推進しています。
家庭からでるごみに多く含まれる容器包装廃棄物を資源として有効利用することにより、ごみの減量化を図るための法律です。消費者は分別排出、市町村は分別収集、事業者は再商品化を行うことが役割とされています。
一般家庭等から排出された家電製品から有用な部品や材料をリサイクルし、最終的に埋立処分される廃棄物量を減らすとともに資源の有効利用を促進する法律です。エアコン、冷蔵庫、テレビ、洗濯機等が対象です。
廃棄物を資源として再び利用すること(再利用) を指します。分別収集されたペットボトルや古紙などを回収し、工場で砕いたり溶かしたりして、新たな製品の原材料として生まれ変わらせる取り組みのことです。
廃棄物等を原材料として再利用することです。例えば、びんを砕いてカレットにした上で再度びんを製造する、アルミ缶を溶かしてアルミ缶その他のアルミ製品を製造することなどが再生利用に当たります。
2000年に制定され、建築物などの解体工事などに伴って排出されるコンクリート廃材、アスファルト廃材、廃木材の分別及びリサイクルを促進することを目的とした法律です。解体業者の登録制度等も規定しています。
大量生産・大量消費・大量廃棄型の社会に代わるものとして提示された概念で、天然資源の消費が抑制され、環境への負荷ができる限り低減された社会としています。持続可能な未来のために不可欠な社会モデルです。
循環型社会を形成していくために必要な3Rの取組みを総合的に推進するための法律です。事業者に対して3Rの取組みが必要となる業種や製品を政令で指定し、自主的に取組むべき具体的な内容を定めています。
従来の3Rの取組に加え、資源投入量・消費量を抑えつつ、資源・製品の価値の最大化、資源消費の最小化、廃棄物の発生抑止等を目指すものです。廃棄物を出すことなく、資源を循環させ続ける新しい経済の仕組みとして注目されています。
「Sustainable Development Goals」の略称で、2015年9月に国連で採択された2030年までの国際開発目標です。17の目標と169のターゲット達成により、「誰一人取り残さない」社会の実現に向けた取り組みです。
国、独立行政法人等及び地方公共団体による環境物品などの調達の推進などを定めることにより、環境への負荷の少ない持続発展可能な社会の構築を目的とした法律です。環境に配慮した製品の市場拡大を後押しします。
プラスチック使用製品の設計から廃棄物の処理まで、プラスチックのライフサイクルに関わるあらゆる主体におけるプラスチックの資源循環の取組を促進するための措置を盛り込んだ法律です。使い捨てプラの削減を目指します。
再生利用されることが確実である産業廃棄物のみの処理を業として行う者を都道府県知事等が指定し、産業廃棄物処理業の許可を不要とすることによって再生利用を容易に行えるようにする制度です。
廃棄物等から熱エネルギーを回収することです。廃棄物の焼却に伴い発生する熱を回収し、廃棄物発電をはじめ、施設内の暖房給湯、温水プール等に利用している例があり、化石燃料の削減につながります。
使用済小型電子機器に利用されている金属その他の有用なものの相当部分が回収されずに廃棄されている状況に鑑み、再資源化を促進するための措置を講ずることにより、廃棄物の適正処理及び資源の有効な利用の確保を図る法律です。
リデュース (Reduce)、リユース (Reuse)、リサイクル (Recycle) のことです。ごみを減らし、資源を有効に活用するための基本的な3つの取り組みであり、循環型社会を構築するための重要なキーワードとなっています。
使えるものを繰り返し使うこと(再使用) を指します。不用品をそのままの形で他人に譲ったり、リサイクルショップで販売したりするほか、詰め替え製品を利用してボトルを何度も使うことなどがリユース活動に含まれます。
物を大切に使ってごみを減らすこと (発生・排出抑制) を指します。3Rの中でも最も優先すべき取り組みであり、過剰包装を避けることや、製品の長寿命化を図ることなどがリデュースの具体的な活動に当てはまります。
企業が社会や環境と共存し、持続可能な成長を図るため、その活動の影響について責任をとる企業行動であり、ステークホルダーからの信頼を得るための企業のあり方を指します。SDGs達成に向けた企業の土台となる考え方です。
太陽光パネル
使用済みの太陽光パネルのうち、検査によって十分な発電能力が残っていることが確認されたものを中古品として再利用することです。廃棄物の発生を抑制し、環境負荷の低減と資源の有効活用に直結するため、優先されるべき取り組みです。
太陽光パネルの一部には鉛やカドミウムなどの有害物質が含まれているものがあります。破損したパネルが野ざらしになると、雨水などで有害物質が土壌に溶け出す(溶出する)恐れがあるため、廃棄や保管には防水措置などの適切な管理が必要です。
太陽光パネルを専用の破砕機で細かく砕き、磁力や風力などを利用してガラス、金属、プラスチックなどの素材ごとに分別する一般的なリサイクル手法です。処理速度が速い一方で、ガラスに不純物が混ざりやすく用途が限られる課題があります。
太陽光パネルの重量の約7〜8割を占めるガラス部分の再資源化です。不純物を取り除き、断熱材のグラスウールや路盤材、あるいは新しいガラス製品の原料として高品質に再利用する技術の確立が、パネルリサイクルの要となります。
2012年のFIT制度開始以降に大量導入された太陽光パネルが製品寿命(約20〜30年)を迎え、2040年代に大量廃棄のピークを迎えると予想されている問題です。最終処分場の逼迫を防ぐため、リサイクル技術の確立と設備の拡充が必要です。
太陽光パネルのガラスとセルを強力に接着している樹脂(EVA)を、加熱したブレード(刃)で切り離すリサイクル技術の一つです。ガラスを割らずにきれいな状態で分離できるため、高純度なガラスリサイクルが可能になるメリットがあります。※ホットナイフ分離法は株式会社エヌ・ピー・シーの登録商標です。
軽量で柔軟性があり、建物の壁面など従来のパネルでは設置が難しかった場所にも設置可能な次世代の太陽電池です。将来の普及が期待されていますが、環境負荷の少ない材料開発や、将来の廃棄を見据えたリサイクル手法も研究されています。
太陽光パネルを構成する最小単位の部品です。光が当たると電子が動き出す半導体の性質を利用して発電します。このセルを複数枚つなぎ合わせ、樹脂やガラスで保護したものが一般的な太陽光パネル(モジュール)と呼ばれます。
太陽光パネルで発電された直流電力を、家庭や工場などで使える交流電力に変換する機器です。太陽光発電システムには不可欠な設備ですが、製品寿命は約10〜15年とパネル本体より短いため、運用期間中に交換・廃棄が発生します。
太陽電池セルの電極には銀などの高価な貴金属が使用されています。太陽光パネル全体から見ればごく微量ですが、リサイクル工程においてこれらの有用金属を効率的に分離・回収することは、リサイクル事業の採算性を高める上で非常に重要です。
現在市場で最も一般的に普及している、シリコン半導体を用いた太陽電池です。結晶シリコン系とアモルファスシリコン系などがあります。リサイクルにおいては、重量の大部分を占めるガラスと、シリコン、銀などの分離が課題となります。
シリコン以外の元素(銅、インジウム、セレンなど)を組み合わせて作られた太陽電池です。薄型化が可能等のメリットがありますが、カドミウムや鉛などの有害物質を含む製品もあるため、廃棄時には成分に応じた適正な処理ルートが求められます。
現在はガイドラインに沿った適正処理が推進されていますが、将来の大量廃棄を見据え、法規制による太陽光パネルのリサイクル義務化の議論が国レベルで進められています。処理業者には、高度なリサイクル技術と受け入れ体制の強化が求められます。
太陽光パネルを屋根や地上に設置し、最適な角度で固定するための土台となる構造物です。主にアルミニウムやスチールなどの金属で作られており、パネル廃棄時にはこれらの架台の金属部分も貴重な資源としてリサイクル対象となります。
太陽の光エネルギーを直接電力に変換するパネルのことです。内部には太陽電池セルが敷き詰められており、再生可能エネルギーの主力として広く普及していますが、製品寿命後の大量廃棄とリサイクルが社会的な課題となっています。
FITやFIPの認定を受けた10kW以上の太陽光発電事業者に対し、将来のパネル廃棄費用を原則として外部機関に積み立てることを義務付ける制度です。事業終了後の放置や不法投棄を未然に防ぐ目的で2022年より開始されました。
再生可能エネルギーの発電事業者が卸電力取引市場などで電気を売電した価格に対し、一定のプレミアム(上乗せ金)を交付する制度です。FIT制度からの自立に向けた段階的な制度として導入され、電力市場の価格変動に応じた運用が求められます。
再生可能エネルギーで発電した電気を、電力会社が一定価格で一定期間買い取ることを国が約束する制度です。2012年の制度開始により太陽光発電の導入が急速に進みましたが、それに伴う将来の大量廃棄問題も浮上しています。
出力1メガワット(1,000キロワット)以上の大規模な太陽光発電所のことです。広大な土地に数千枚から数万枚の大量のパネルが設置されており、将来的に一斉に廃棄時期を迎えるため、計画的かつ大規模なリサイクル体制の構築が急務です。
事業者が施設所有者の屋根などに無償で太陽光発電設備を設置し、発電した電気を施設所有者に販売する仕組みです。初期費用ゼロで再生可能エネルギーを導入できるため、企業の脱炭素化(カーボンニュートラル)の手段として普及しています。
アスベスト
アスベスト繊維が浮遊している空気を吸い込むことです。ばく露量が多いほど、またばく露期間が長いほど、数十年後に中皮腫や肺がんなどの健康被害を発症するリスクが高まるとされており、作業時の徹底した防護が不可欠です。
建材にアスベストが含まれているかどうかが設計図書等で判断できない場合、建材のサンプルを採取し、顕微鏡やX線回折装置などを用いて含有率や種類を調べることです。分析結果に基づいて、適切な解体工法や廃棄物の処理ルートを決定します。
肺や心臓、胃腸などの臓器を覆う膜(中皮)にできる悪性腫瘍です。アスベストばく露が主な原因とされ、吸い込んでから発症するまでの潜伏期間が20〜50年と非常に長いのが特徴で、過去のばく露による発症が現在社会問題となっています。
建築物のアスベスト含有の有無を正確に調査するための専門資格です。法改正により、現在では建物の解体・改修前の事前調査は、この有資格者が行うことが義務付けられており、不適切な調査によるばく露事故を防いでいます。
工場や事業場からのばい煙等の排出を規制する法律ですが、建築物の解体・改修工事に伴うアスベストの飛散防止についても厳しく規制しています。作業基準の遵守や、都道府県知事等への事前の届出義務などが定められています。
建築物の解体や改修工事を行う前に、アスベストが使用されているかどうかを必ず調査することです。2022年4月から、一定規模以上の工事では調査結果を「石綿事前調査結果報告システム」を通じて行政へ報告することが義務化されました。
発じん性が比較的低い、非飛散性のアスベスト建材の分類です。石綿含有スレート波板やPタイル、サイディングボードなどが該当します。隔離養生までは求められませんが、手作業による取り外しや湿潤化などの適切な飛散防止対策が必要です。
発じん性が高いアスベスト建材の分類です。ボイラーの配管に巻かれた保温材や、屋根用折板裏の断熱材などが該当します。シート状や筒状になっていますが、崩れると飛散しやすいため、レベル1に準じた厳重な飛散防止対策が必要です。
労働安全衛生法に基づき、アスベストを取り扱う労働者の健康障害を予防するために定められた厚生労働省の規則です。作業環境の測定、保護具の着用、作業主任者の選任、労働者への特別教育などを事業者に義務付けています。
発じん性が著しく高いアスベスト建材の分類です。耐火建築物の柱や梁に吹き付けられた石綿(吹付け石綿)などが該当し、除去作業においては作業場の完全な隔離や高性能な防じんマスクの着用など、最も厳格な飛散防止対策が求められます。
工作物の新築、改築又は除去に伴って生じた廃石綿等以外の産業廃棄物であって、石綿をその重量の0.1%を超えて含有するものをいいます。スレート板などの非飛散性アスベストが該当し、破砕せずに処分する必要があります。
アスベスト廃棄物のうち、飛散性が高く特に危険なものです。毒性や感染性などを有する「特別管理産業廃棄物」に指定されており、収集運搬や処分において非常に厳格な基準が設けられ、専門の許可を持った業者しか取り扱うことができません。
回収したアスベスト廃棄物を、専用の処理施設にて1500度以上の高温でドロドロに溶かし、無害なスラグにする中間処理の方法です。処理後のスラグはアスベストの形状を完全に失っており、路盤材やコンクリート骨材などに再利用されます。
レベル1やレベル2の飛散性アスベストの除去作業を行う際、作業現場をプラスチックシート等で隙間なく密閉し、外部にアスベスト繊維が漏れ出ないようにする措置のことです。安全な作業環境を確保するための最も重要な工程の一つです。
隔離養生されたアスベスト除去作業場への出入口に設けられる空間です。更衣室、洗身室、前室の3つの部屋で構成され、作業員が退出する際に身体や保護具に付着したアスベスト繊維を洗い落とし、外部への持ち出しを完全に防ぐ役割を果たします。
スレート屋根材などの建材にセメント等で強固に固定され、通常の状態では飛散しにくいアスベストです。ただし、切断や破砕を行うと繊維が飛散するため、解体時には散水で湿潤化させ、原形のまま慎重に取り外して処理する必要があります。
アスベストによる健康被害を受けた方やその遺族に対し、医療費や救済給付金を支給するための法律です。労災補償の対象とならない方(工場の周辺住民や労働者の家族など)を広く救済する目的で制定され、事業者の拠出金等で運用されています。
隔離養生された作業場内の空気を強力に吸引し、作業場内を外部より気圧の低い「負圧」状態に保つための装置です。吸引した空気はHEPAフィルターという超高性能なフィルターでアスベスト繊維を濾過し、きれいな空気にして外部へ排出します。
天然の鉱物繊維で、熱や摩擦に強く安価であったため、建材等に広く使用されました。しかし、極めて細かい繊維を吸い込むと肺がんなどの深刻な健康被害を引き起こすことが判明し、現在では新たな製造・使用が全面的に禁止されています。
建築物の鉄骨などに直接吹き付けられたアスベストのように、劣化や破損によって空気中に繊維が飛び散りやすい状態のものを指します。解体・改修時には、周囲を密閉するなどの厳重なばく露防止措置と飛散防止対策が法律で義務付けられています。
PCB
残留性有機汚染物質(POPs)から人の健康と環境を保護するための国際条約です。PCBは環境中で分解されにくく、生物の体内に蓄積しやすい性質を持つため、初期の対象物質に指定されており、国際的にも廃絶が求められています。
トランスやコンデンサの内部に満たされている油で、機器の冷却や電気の絶縁(漏電防止)の役割を果たします。古い電気機器のメンテナンスや廃棄の際には、この絶縁油をサンプリングし、事前のPCB濃度分析を行うことが不可欠です。
廃棄予定の電気機器等にPCBが含まれているか、またその濃度はどの程度かを専用の分析機関で調べることです。この分析結果(高濃度、低濃度、または非該当)に基づいて、法的に正しい処理ルートや委託先が決定されます。
発電所で作られた高電圧の電気を、工場やビルで使用できる電圧に下げるための機器です。1972年以前に製造されたトランスの絶縁油には高濃度のPCBが使用されている可能性があり、廃棄時にはPCB特措法に基づく厳正な対処が必要です。
PCB廃棄物が漏れ出したり飛散したりしないよう、専用の密閉容器に入れ、鍵のかかる建屋内で、他の廃棄物と明確に区分して保管するなど、廃棄物処理法で厳格に定められたルールのことです。保管責任者の選任も義務付けられています。
PCB特措法により、PCB廃棄物は種類(高濃度・低濃度)や保管場所に応じて法的な処分期限が明確に定められています。期限を過ぎると事実上処分が不可能になる恐れもあり、罰則の対象となるため、期限内の処理完了が絶対条件となります。
国が全額出資して設立された特殊会社で、日本全国の高濃度PCB廃棄物を安全かつ確実に処理するための専用施設を運営しています。各地域に事業所があり、計画的かつ安全な無害化処理事業を推進する中核的な役割を担っています。
本来はPCBが使用されていないはずの電気機器(トランスなど)のうち、過去の製造工程や絶縁油の再生・補充過程などで、意図せず微量のPCBが混入してしまったものを指します。低濃度PCB廃棄物として民間施設での処理対象となります。
蛍光灯や水銀灯などの放電灯を点灯させ、電流を一定に保つための装置です。昭和52年(1977年)以前に建築された工場や学校などの建物の照明器具には、PCB使用安定器が残っている可能性があり、計画的な調査と交換・廃棄が必要です。
PCB、PCBを含む油又はPCBが塗布され、染み込み、付着し、もしくは封入された物が廃棄物となったものをいいます。難分解性で人の健康などに被害を生ずるおそれがあることから特別管理産業廃棄物に定められています。
PCB濃度が0.5%(5,000mg/kg)を超える廃棄物です。かつて製造されたPCBがそのまま絶縁油として使用されているトランスやコンデンサなどが該当し、民間施設での処理はできず、国が主導するJESCOでのみ処理が可能です。
電気を蓄えたり、電圧を安定させたりするための機器です。照明器具の安定器に組み込まれた小型のものから、工場の受変電設備に使用される大型のものまであり、古い製品には絶縁油としてPCBが使用されている場合があります。
PCB廃棄物を保管している事業者(保管事業者)は、その保管状況や処理の状況などを毎年、都道府県知事等(政令市の場合は市長)に届け出ることがPCB特措法で義務付けられています。行政による保管状況の確実な把握が目的です。
低濃度PCB廃棄物について、環境大臣が安全かつ確実に処理できると認定した民間の施設に処理を認める制度です。厳しい基準をクリアした施設のみが認定を受け、高温焼却処理や化学的な洗浄処理によって無害化を行います。
PCB廃棄物の確実かつ適正な処理を推進するため、保管事業者に厳格な保管基準の遵守や、国が定めた期限内での処理を義務付けた法律です。期限内に処理を行わなかった場合、改善命令や罰則の対象となる厳しい規制が敷かれています。
大型で解体・運搬が困難な低濃度PCB汚染トランスなどに対し、現場で内部の絶縁油を抜き取った後、専用の溶剤を循環させて内部に付着したPCBを洗い流し、無害化する処理方法です。焼却処分を減らし、機器本体のリサイクルを可能にします。
1968年に発生した、米ぬか油の製造工程で熱媒体として使用されていたPCBが食用油に混入したことによる大規模な食中毒事件です。この悲惨な事件を契機に、PCBの毒性や環境汚染が大きな社会問題となり、製造禁止へと繋がりました。
PCB濃度が0.5%以下の廃棄物や、微量のPCBに汚染された廃電気機器などを指します。環境大臣が認定した「無害化処理認定施設」や、都道府県知事等が許可した民間の処理施設において、焼却や洗浄などの方法で処理されます。
稼働中のトランスの絶縁油を、微量PCBが含まれていない新しい油に入れ替え、そのまま電気を使用し続けることで、内部部材に染み込んだPCBを新しい油に溶け出させて無害化する手法です。操業を止めずに処理できるメリットがあります。
人工的に作られた油状の化学物質で、電気絶縁性や不燃性に優れていたため変圧器などに広く使用されました。しかし、カネミ油症事件等で強い毒性が判明し、1972年に製造が禁止され、現在は厳重な管理と期間内の処分が求められています。